「お金の力」①
「あなたはこんな物も払えないの??」
「社会人が情けない。。」
要はここぞとばかりの馬頭を浴びた。。
しかし仕方がない、彼は学生の頃からパチンコにはまり、
パチンコ屋の椅子に座らないと、禁断症状が出るほどだ。
もうパチンコにも椅子にもはまっているのだ。
恵美の言うことはよくわかる。
しかし一度取りつかれた人間はなかなか抜け出せない。。
「この負のループを抜け出すにはどうしまSHOW!」
そんな周りの顔を見ずに発した要の言葉は
恵美には能天気を通り越し、
更に山を越え、海を越え、天城まで越えてしまったようだ
「もう私たちも終わりね」
恵美がそう言って立ち去った。
「終わり。。。」
「まだまだ始まったばかりじゃないか」
「逆に考えるとここまで悪いことを極めたら、もういいことしか起きないよ」
「さあ、ジュリエット、新しい夜明けぞよ」
恵美が振り返った
「安心したわ。次にあなたが質の悪いモノマネをすれば、一刀両断しようと思っていたのよ。さすが、期待通りね!」
「さようなら。」
恵美は去っていった。
「さ、さようか。。」
要は一刀両断された坂本龍馬のモノマネを言いながら、
恵美の後ろに広がる摩天楼を見ていた。